今年の夏至は6月21日ですね。
日が暮れるまでが長くなったと実感する時期ですが、皆さまいかがお過ごしでしょうか?
木場りんご薬局です。
今回は熱中症についてご紹介します。
《熱中症の種類》
まず、熱中症とは暑い環境の中で生じる体の障害の症状のことを表し、おもに4種類の症状に分けられます。
1.熱失神
暑さによって身体に溜まった熱を放熱するために皮膚の血管が広がり血圧が下がることで脳への血液量が減って起こる失神の事をいいます。
主な症状として、めまい・一時的な失神・顔面蒼白・血圧が下がって脈が速くなる。
2.熱けいれん
大量に汗をかいたあとに水だけを補給して、血液中の塩分の濃度が下がった時に生じる足・腕・腹部の筋肉の痛みを伴うけいれんのこと。いわゆるこむら返りなどのことです。 主な症状として、筋肉痛・手足がつる・筋肉が痙攣する
3.熱疲労
大量に汗をかき水分の補給が追いつかないと身体が脱水状態になり、全身の力が入らなくなったり吐き気や頭痛などの熱疲労の症状が現れます。
主な症状として、全身倦怠感・悪心・嘔吐・集中力の低下や判断力の低下など。
4.熱射病
体温の上昇のため中枢機能に異常をもたらす状態です。
ひどい場合は意識が朦朧としたり言動がおかしいなどの意識障害が見られたり、ショック症状になることもあります。
主な症状として、体温が高い・意識障害・呼びかけや刺激反応が鈍い・ふらふらするなど。
この4つ症状は①から④へ段階的に進行します。
急に体温が上昇し、①の熱失神の症状が現れ、その後の水分補給が不十分ですと②の熱けいれんが現れます。
そのまま放置しておくと③の熱疲労の状態に陥り、適切な処置を施さないと生命にかかわる④の熱射病の状態になるのです。
《熱中症が起こりやすい時期と場所について》
熱中症が起こりやすい時期は太陽が照りつける暑い時期だけではありません。
こちらは大塚製薬さんのホームページの引用文献です。
(引用)森本武利,中井誠二:熱中症(II)熱中症の疫学. 産業医学ジャーナル 39(4):24-30, 2016)
7月~8月の日中、最高気温が高くなった日に熱中症の患者数が増加しています。また熱帯夜が続くと、夜間も体温が高く維持されてしまうため、熱中症が起こりやすくなることがわかっています。
熱中症による救急搬送は、真夏日(最高気温が30度以上)になると発生し始め、猛暑日(35度以上)では急激に増加します。(森本,2015)
したがって、まずは真夏の気温が高いときは注意が必要といえます。
こちらは2015年の東京23区にて熱中症の患者さんの発生状況をグラフにしたものです。
オレンジ色の棒グラフが熱中症の患者さんの1日ごとの数、青色の線がその日の最高気温です。
(引用;2015夏季熱中症患者発生数(東京23区);出典:国立環境研究所)
梅雨の晴れ間や、梅雨明けの蒸し暑くなった時期にも熱中症は多く見られます。
この時期は身体がまだ暑さに慣れていないため上手に汗をかくことができず放熱量が低くなる為、体温をうまく調節できないからです。暑い日が続くと、次第に身体が暑さに慣れてきます。これを「暑熱順化」といいます。
つまり、今の時期から熱中症対策を意識することが大切だと考えられます。
また、今年の夏至は6月21日です。1年の中で一番日照時間が長く、太陽の照射エネルギーが高いので、この時期の直射日光は控えめにすることが好ましいです。
《熱中症に注意が必要な人》
乳幼児や高齢者は、熱中症を起こしやすい傾向にあります。
乳児や幼児は、大人より新陳代謝が活発で体温が高いのが特徴です。しかし大人と比べて、汗腺の発達が未熟なため、うまく体温調節をすることができません。炎天下の車の中など、体温よりも周囲の温度が高くなる場所では、短時間で体温が上昇し、生命に危険が及ぶこともあります。
また、気温が高い晴れた日に外出する時も注意が必要です。晴れた日は地面に近いほど気温が高くなります。例えば気温が32℃のとき、地面から50cmの高さでは35℃、5cmの高さでは36℃以上になっていたデータもあります。
ベビーカーに乳幼児を乗せて外出するときは、様子を見ながら十分気をつけましょう
高齢者は身体の感覚がにぶくなり、暑さを感じにくくなったり、喉の渇きを感じにくくなっていることがあります。また、食事量が少なくなるとともに飲水量も少なくなる傾向があります。ほかに年齢を重ねるごとに身体の中の水分量が不足しがちになる傾向があります。身体の中に熱がこもりやすくなっている傾向があり、トイレが頻回にならないように水分摂取を控える方もみえます。
このようにご高齢の方は慢性的に水分摂取量が不足していることがあり、喉が渇いてから飲むというのでは既に脱水状態の場合があるので、高齢者は日頃から体調管理に注意して、こまめな水分と塩分(ナトリウム)の補給を心がけることが大切です。
《水分補給の方法》
水分補給として一度に大量の水を摂取すると、かえって体内の電解質バランスを崩して体調不良を引き起こしてしまいます。飲む量は、かいた汗の量を目安にし、汗で失われる塩分(ナトリウム)もきちんと補給しましょう。
私たちの身体には、約0.9%の食塩水と同じ浸透圧の血液が循環しています。
また汗をかいた肌をなめると塩辛い味がすることからわかるように、汗にはナトリウムが含まれています。
大量に汗をかいてナトリウムが失われたとき、水だけを飲むと血液のナトリウム濃度が薄まり、これ以上ナトリウム濃度を下げないために水を飲む気持ちがなくなります。
同時に余分な水分を尿として排泄します。これが自発的脱水症と呼ばれるものです。
この状態になると汗をかく前の体液の量を回復できなくなり、運動能力が低下し、体温が上昇して、熱中症の原因となります。
(大塚製薬さんHPより引用)
この水分とともに適量の塩分を摂取するのに適した飲料はOS-1です
熱中症予防の水分補給として、日本スポーツ協会では、0.1~0.2%の食塩(ナトリウム40~80mg/100ml )と糖質を含んだ飲料を推奨しています。
また、糖を含んだ飲料が推奨される理由としては、腸管での水分吸収を促進することが挙げられます。主要な糖であるブドウ糖は、腸管内でナトリウムが同時にあると速やかに吸収されます。そしてそれらに引っ張られ水分も吸収されるというのがそのメカニズムです
(大塚製薬さんHPより引用)
通常のスポーツ飲料に比較して糖分の含有量が控えめになっており、より体内に吸収され
やすい浸透圧に設計されています。
この糖分が高すぎると摂取することで返って脱水症状を進行させてしまうこともあるので、脱水症状の際にはOS–1が適しているといえます。
なお、OS-1の注意事項に
- 学童~成人(高齢者を含む):500~1000mL(g) /日
- 幼児:300~600mL(g) /日
- 乳児:体重1kgあたり30~50mL(g) /日
とあります。
OS-1は100mlあたり0.292gの食塩相当量が含まれています。
そのため、たくさん飲めば、その分塩分の摂取量も増えてきますので、高血圧の方や腎臓などの持病を持っている方は飲む前に主治医の先生や薬剤師にご相談ください。
また、OS-1には通常の飲料のものゼリータイプのものがあります。
飲料とゼリータイプでは100ml(100g)あたりの成分量は同じです。
飲料が苦手な人や嚥下に苦労する方にはゼリータイプもおすすめです。
当、木場りんご薬局ではOS-1・OS-1ゼリーともに187円(税込み格205円)にて販売しております。
OS1の特徴をしっかりと理解して、脱水症状の予防のお役に立てていただけると幸いです。
《最後に》
ただ、脱水症状でも、いつもと様子が違う、症状がひどい、経口摂取ができない場合には、すぐに医療機関を受診するようにしましょう。病院で、正しい処置を受け、輸液の点滴などにより、水分・栄養補給をしてもらうことが大切です。
今年も暑くなりそうですので、早めの熱中症対策をおこなって気をつけてお過ごしください♪
引用)森本武利,中井誠二:熱中症(II)熱中症の疫学. 産業医学ジャーナル 39(4):24-30, 2016.
引用)2015夏季熱中症患者発生数(東京23区);出典:国立環境研究所
参考)大塚製薬さん https://www.os-1.jp/about/
介護事業もやっています https://pharma-star-kaigo.jp/
インスタグラムも始めました https://www.instagram.com/pharmastar.jp/