薬の価格のしくみについて

こんにちは、金山さくら薬局です。

今回は医薬品の価格制度について少し勉強してみたいと思います。

処方箋をもとにお渡しする薬には「薬価」という薬の値段がつけられています。

ではこの「薬価」とは誰がどうやって決めるものなのでしょうか?

医薬品は医療用医薬品とOTC医薬品の2つに大別されます。医療用医薬品とは医療機関などで医師から処方される薬のことです。一方OTC医薬品とは処方を必要とせず、ドラックストアなどで購入することができる薬のことです。 保険医療で用いられる医療用医薬品は国が価格を定め、「薬価」と呼ばれます。 一方OTC医薬品の価格は製薬企業が定めることができ、メーカー希望小売価格、販売価格などと呼ばれます。

では国が「薬価」決める薬価算定方法とはどういったものがあるのでしょうか?

1 類似薬効比較方式

新薬(新しく発売される薬)と同じような効果を持つ医薬品(以下、類似薬)が既に存在するかどうかを調査し、類似薬が存在する場合は、類似薬と大きな価格の差が生じないように算定します。

2 原価計算方式

新薬に類似薬が存在しない場合は、原材料費や製造経費などから算出し、既存の治療と比較した場合の有用性の程度に応じて、営業利益の予測額を加算します。

簡単にいうと、今現在発売されている薬と似た作用の薬は、それと同じくらいの値段になり、全く新しい作用の薬は、値段が高く設定されるということですね。

一度定められた薬価は不変ではなく、1年に1度定期的な見直しが行われます。 この価格の見直しを「薬価改定」と呼びます。 薬価が引き下げられる理由は、新薬が発売された後に類似の新薬が発売されたり、ジェネリック医薬品が発売されることで、希少性が低下し、新薬としての価値が下がるためです。

では、ジェネリック医薬品の薬価はどう決めるのでしょうか?

ここでおさらいですが、ジェネリック医薬品(後発医薬品)とは新薬(先発医薬品)の特許が切れ、他の製薬企業も同じ成分の医薬品を製造できるようになった医薬品のことです。 後発医薬品は、先発医薬品が新発売されてから10年以上たってから発売されるという計算ですね。

ジェネリック医薬品の薬価は先発医薬品の価格によって定められます。 基準は先発医薬品の薬価の50%とされ、薬価改定により先発医薬品と同様後発医薬品の薬価も改訂されます。薬価の引き下げは国の医療費抑制や、国民の医療費負担の軽減にもつながる反面、製薬企業の利益が減少し、新薬の研究開発が難しくなってしまう問題もあるため、慎重に協議されています。

私たちが保険医療を受ける際に支払っている薬の価格は、このように定められているのですね。 少しはお役に立てたでしょうか?

みなさんも薬価制度の動向に関心を持ってはいかがでしょうか。

―参考資料― 厚生労働省「日本の薬価制度について」「現行の薬価基準制度について」

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